今回の記事では、大人の片目つむりの原因とスマホ老眼による調節力の低下について書いています。
こんな症状があったら注意
- 気付くと片目つむりをしている
- 毎日5時間以上スマホ、PCを同じ距離で使用している
- 物を見るときにピントが合わせづらい時がある
- ドライアイの症状がひどくなってきた
- 夕方になると眼が疲れる
- 眼精疲労の症状が日常的にある
この症状がある方、ピント調節機能が低下している可能性があります。
ピント調節機能の低下ってどういうこと?
目の中で網膜にピントを合わせるカメラのレンズのような役割をしているのが「水晶体」です。
この水晶体を薄くすることにより遠方へ、厚くすることにより近方へレンズの屈折力を変化させて焦点調節しているのが「毛様体筋」です。
遠方を見るときは毛様体筋が弛緩し、水晶体が薄くなってピントを合わせます。
反対に近くを見るときには毛様体筋が収縮し、水晶体が厚くなってピントを合わせます。
しかし加齢が進むにつれ、水晶体は硬化、膨化(白内障)し、弾力性が失われ、毛様体筋が収縮しても水晶体が膨らまずピントが合いません。
毛様体筋も筋力低下に加え、水晶体の硬化による負担が増え、過緊張状態となり調節力の低下を招きます。
この状態を「老眼」といい、40歳くらいから徐々に始まり、60歳くらいまでに手元のピントを合わせる調節力は「0」になります。
※個人差はありますが、すべての人が調節力は年齢的な変化とともに進みます。
老眼が始まってくると、ピントが合いづらいために片方の目を閉じて良い方の目で見たり、これまでよりピントを合わせるために目の筋肉をより使って頑張ってみようとするため、眼精疲労やドライアイの症状が出てきます。
20~30代でも注意!「スマホ老眼」って?
最近では、20~30代でもピント調節機能の低下する、「スマホ老眼」が問題視されています。
「スマホ老眼」とは、長時間スマホなどを使用し近方固視することで毛様体筋が収縮したままとなり、遠くを見るときに毛様体筋が緩まず、遠くにピントが合わない調節力の低下をいいます。
老眼が始まる前の若い世代でも見られます。
近くの一定の距離を常に見続けることで起こりますので、スマホなどの近方作業が続いたら時々遠方を見るなど、休憩を取るようにして、毛様体筋の緊張をほぐすように気を付けることが大切です。
スマホに限らず、TVゲームやPCなどの電子機器を同じ距離で長時間使用することでも同じ症状が現れます。
治療法
老眼に対する治療法としては、
・眼鏡装用(手元用、PC用など用途に合わせた距離に度数があった眼鏡)
・手術(ICL手術など)
・疲れ目の目薬の処方
スマホ老眼に関しては、
・眼鏡装用(手元用、PC用など用途に合わせた距離に度数があった眼鏡)
・疲れ目の目薬の処方(サンコバ点眼薬など)
で対応します。
自宅でできる対処法
自宅でできる簡単セルフケア方法のご紹介です。
意識して行うことで症状が緩和されますので、是非試してみてください。
▶スマホなどの電子機器の長時間使用は避け、こまめに休憩をいれる。
⇒1時間使用したら15分ほどの休憩を入れ、遠くを眺めるようにすると良いです。
▶ホットアイマスクやホットタオルを使用して目を温める
⇒温めることで目の周りの血流が良くなり、毛様体筋の緊張がほぐれます。
▶目のぐるぐる体操を行う
⇒目の体操も疲れ目の改善に役立ちます。目をぐるぐる回したり、上下左右の方向に動かします。気持ちがいいと思える程度の回数を行うとよいでしょう。
▶疲れ目の目薬を使用する
⇒病院ではサンコバ点眼薬などの目薬が処方されます。
薬局等で購入する場合には参天製薬の「ソフトサンティア ひとみストレッチ」がおすすめです。
▶意識的に瞬きをする
⇒スマホなどの電子機器の長時間使用により、瞬きが少なくなり、ドライアイの症状が出ます。意識的に瞬きを行うことでドライアイの悪化を防ぐことが出来ます。
まとめ
ここまで、大人の片目つむりの原因とスマホ老眼による調節力の低下、簡単にできるセルフケア方法について紹介しました。
最後に、今回の記事のポイントをまとめます。
- 片目つむりの原因はスマホ老眼による調節力の低下の可能性がある
- 調節力が低下すると眼精疲労やドライアイの症状も出る
- 治療法は眼鏡装用と目薬点眼
- セルフケアを行うことで症状は緩和できる
参考文献
井手武 「老視とは何か:定義と考え方」新しい眼科28 2011 P605~608
眼科ケア 2017 vl.19 P18~21 「老視を理解しよう」
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