こんにちは。
視能訓練士でワーキングマザーのぱんだこ(id:hareruyatan)です(*´▽`*)
今日は、先日眼鏡の処方箋希望で来院した15歳の女の子の話。
本人に話を聞いてみると、眼鏡はこれまで使用したことがないとのこと。
授業中、黒板の文字がどうにも見づらくて、勉強や日常生活に支障がでてきている・・・。
軽い近視があるのかなぁ~?
なんて考えながら検査をしてみると、がっつり近視が↓↓↓
裸眼視力は右0.08、左0.06、眼鏡で矯正すると-4,00Dの近視がありました。
これは、中等度の近視です。
(近視は、マイナスの値が大きくなるほど強い度数になります。-4,00Dは近視の強さとしては真ん中ぐらいで、通常であればとっくに眼鏡が必要な屈折値です。)
※近視とは
近視(きんし)は、屈折異常のひとつで、眼球内に入ってきた平行光線が、調節力を働かせていない状態で、網膜上の正しい位置ではなく、もっと手前に焦点を結んでしまう状態。近眼(きんがん、ちかめ)ともいう。
遠方視の場合に、屈折機能が無限遠まで対応できないためはっきり見ることができない。 逆に近方視の場合は支障は少ない。近視は屈折の問題であり網膜や視神経の疾患ではない。
私 :『今まで、学校の検診とかで再検査の紙をもらったことはないかな?』
と問いかけると、
女の子:『小学校の頃からもらっていたけれど、お母さんが眼鏡かけるのに反対していて眼科に行けなかった。眼鏡かけると病気が進むからって。眼鏡かけたかったけど作れなかった・・・と。』
私 :『今日、眼鏡作りに来ていることはお母さんは知ってるのかな?』
女の子:『相談したらすごく怒られたから、おばあちゃんが一緒に来てくれた、お金もおばあちゃんが出してくれることになってる』
・・・・・・
この子は、これまでどんな見え方の世界で生きてきたんだろう。
もっと早く眼鏡をかけていれば快適に過ごすことができたのに。
高校1年生って、勉強も大変な時期で、不自由を感じていただろうな・・・
そう思うと、胸が痛くなりました。
目の中には特別異常がなかったため、すぐに眼鏡合わせを実施。
すると、
『すっごくよく見える!!!!』
と感激していました。
ただ、眼鏡を初めて作るには、強いパワーだったため、疲れないよう眼鏡のパワーをダウンし、初めてでもかけられる強さ、両目で0,9程度の見え方となるように処方しました。
もう少し弱い度数であれば、もっと見えるようにもできたのですが、-4,00Dの眼鏡は強すぎていきなりかけることは出来ないので、だんだん眼鏡に慣らしていって、段階的にパワーをあげることを提案しました。
一緒に付き添いできてくれたおばあちゃんにもその旨説明。
このまま眼鏡屋さんに行くと言って、満足して帰っていきました。
近視は、病気ではありません。
顔の形、肌の色、身長などがそれぞれ異なるように、眼球の形も、人それぞれ異なっています。
たまたま横長の眼球の形をしているだけで、眼鏡で視力矯正ができるので病気というわけではないのです。
(※今後近視が進み、眼鏡では矯正できないほどの強度の病的な近視となって初めて病気と診断されます。多くの近視は、眼鏡で矯正可能なものです。)
それよりも、日常生活を快適に過ごすために、無理せずに早めに眼鏡をかけて慣れていくことの方が大切です。
近視の場合、目を細めるとピンホールの効果で一時的に物が見えますが、度が進んでくると遠くのものはそれでもピントが合わなくなってきます。また、ピントを合わせようと目を細める時間が長いと眼精疲労につながったり、瞬きする時間が減少してドライアイになったりもします。
子どもは、小さいうちは親の判断でしか病院受診ができません。
勝手に親の判断軸で決めつけないで、第3者の意見をきいてください。
眼鏡をかけることは、決して悪いことではないです!!!
子どもが快適な生活を送るために、学校検診等で近視を指摘されたら、とにかく眼科受診をお願いしたいです。
この女の子は来月眼鏡のパワーチェックで来院予定です。
1か月で眼鏡に慣れることができるか、見え方は大丈夫か・・・、来月また会えるのが楽しみです(*´▽`*)
最後までお読みいただき有難うございました。
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