こんにちは。
視能訓練士でワーキングマザーのぱんだこ(id:hareruyatan)です(*´▽`*)
突然ですが、皆さん、眼科外来にいらっしゃる患者さんの中で一番多い感染症はなんだか知っていますか?
正解は・・・・・
ウイルス性結膜炎 です。
ウイルス性結膜炎には、感染予防がとっても大事!!
ということで今回は、私の勤務する眼科診療所で行っている感染予防とご家庭での対策を紹介します♪
結膜炎とは
結膜とは、まぶたの裏側と白目の表面を覆っている半透明の膜のことです。
結膜炎とは、結膜に炎症が起こって充血、めやに、かゆみなどの症状を起こしている状態のことです。
主に感染症やアレルギーなどを原因として発症します。
結膜炎の種類
結膜炎の種類には、細菌性結膜炎、ウイルス性結膜炎、アレルギー性結膜炎などがあります。
今回は感染予防ということで、ウイルス性結膜炎について。
ウイルス性結膜炎には4つ種類があります。
①流行性角結膜炎(はやり目)
アデノウイルス(8,19,37,54型)によって起こる結膜炎。
感染力が非常に強いので、【はやり目】とも呼ばれている。
めやに充血の症状が出るが、かゆみはない。
耳の前やあごの下にあるリンパ節が腫脹することがある。
潜伏期間は7~10日間。片眼から両眼にうつることが多い。
発症してから7日間がピークで、その後徐々に良くなっていく。
炎症が強い場合には角膜の表面に濁りが残る場合がある。もし濁りが出た場合、曇った見え方となり、完治まで数か月かかる場合がある。
②咽頭結膜炎(プール熱)
アデノウイルス(3,4,7型)によって起こる結膜炎。
急に39度くらいの高熱やのどの痛みが出る。
目には充血、目やにがでる。両眼同時に出ることが多い。
悪化すると肺炎などの呼吸器系の症状が出るため注意が必要。
流行性角結膜炎と同じアデノウイルスが感染源だが、ウイルス型が異なる。
流行性角結膜炎よりも目の症状自体は弱い。
潜伏期間は7~10日間。
夏に夏風邪として流行しやすく、プールを介して感染することがあるためプール熱とも呼ばれている。
③急性出血性結膜炎
エンテロウイルス(70型)やコクサッキーウイルスによって起こる結膜炎。症状は急性で、充血、目やに、白目に出血がみられる。両眼同時に発症することが多い。潜伏期間は1日ほどで、発症から1週間以内に治癒する。
④ヘルペス性結膜炎
片目ずつ発症することが多い。単純ヘルペスウイルスによる結膜炎。感染力は弱めで、他人にうつることはあまりない。充血、目やにのほかに、目の周りの皮膚に水泡ができることもある。(この場合は軟膏で治療)
一番患者数が多いのは
①流行性角結膜炎(はやり目)です。
1年中流行していますが、ピークは春先~夏にかけてです。
治療方法は?
ウイルス性結膜炎には特効薬がないため、基本的には抗菌薬が処方されます。
抗菌薬の使用により、細菌による2次感染を防ぎます。
抗菌薬を点眼しつつ、体の中で交代が作られるのを待ちます。
④のヘルペス性結膜炎の場合で、目の周りに症状が出ている場合には、抗ウイルス薬の眼軟膏を使用することがあります。
眼科でやってる感染対策と消毒方法
さて、ここで、眼科外来で行っている感染対策と消毒方法を紹介します。
具体的な対策と消毒方法がこちらです。
・流行性結膜炎疑いの患者さんは専用のエリアを用意し、そこに座ってもらう。検査は行わず、そのまま診察へ。
・お会計の際のお金を入れるケースは感染疑いの患者さん専用のものを使用する。会計でもらったお金とケースはアルコール消毒液とイータックを全面にひたひたにふきかけ、乾くまで他のものと分けて保管する。
・感染症疑いの患者さんが触れたもの、座った椅子、診察室などは、患者さんが帰った後にすぐアルコール消毒液、イータックで消毒する。アルコール消毒液、イータックをふきかけ、ペーパータオルで全体を綺麗にふく。
・消毒した人、問診をとった人、診察したドクター、全員手洗いを石鹸で30秒間しっかり行う。触った可能性があったり、接触した可能性がある場合には制服にイータックをふきかける。(軽い噴射の場合、イータックは全くベタベタしません)
・業務開始前、お昼休憩後、業務終了後、毎日病院内の検査機械や椅子などすべてのものにイータックをふきかけ、ペーパータオルで全体をふく。
・アルコール消毒液やイータックを使用してふいたペーパータオル、感染症疑いの患者さんに使用した検査キットやガーゼ等はすべて医療廃棄ボックスに入れる。
※医療廃棄ボックスとは・・・医療行為の際にでる廃棄物を入れる専用のボックスのこと。感染症の汚染源となる可能性があるため、専門の業者にに引き取りにきてもらい、適切に処理される。
イータックについて
消毒にはイータック消毒液がとってもおすすめです!!
うちの病院では、5年前からアルコール消毒に加えてイータック消毒液を導入、使用しています。
以前はアルコール消毒のみを行っていましたが、イータックに抗菌作用があると知り、アルコール消毒では抗菌ができないため、理事長指示でイータックも併用するようになりました。
アルコール消毒には、殺菌作用はありますが、抗菌作用はないのです!!!
(※殺菌とは、菌を殺すこと。抗菌とは、細菌の増殖を抑制すること。)
昨年くらいから家庭用としても一般販売が始まりましたね。
病院で使用するものは、大きい柔らかいポリタンクに入ったイータックが納品されて、それをスプレー容器に移して使用しています。
アルコール消毒との違いとして、
・ノンアルコールのため手荒れが少なくて済む(眼科では手を一日に何回も洗う為手荒れがひどくなりやすいので助かる)
・無臭
・ウイルス、菌に有効
・抗菌作用がある
・スプレーした箇所に抗菌成分が固定されて、1週間持続する(ただしうちの病院では毎日イータック消毒を行っています)
少々お値段がお高めですが、買って損はなく、ご家庭に一本あると安心な商品だと思います。貴金属、鏡、精密機器以外には使用できます。
我が家でも愛用しています。
ご家庭での感染対策
ご家庭での感染対策を紹介します。
これは、ウイルス性の結膜炎以外の感染症対策にもなります!!!
ほとんどの場合、ウイルス性の結膜炎は目をこすった手や目や手をふいたタオルやハンカチから感染するので、
①とにかく手洗いの徹底が重要です。帰宅したら30秒間手を洗いましょう。
②家族とタオルは別々に使用する
③洗濯は別で行う
④お風呂は最後に入る
等を徹底することで、家庭内でのウイルス性結膜炎の感染を防ぐことができます。
さらに、イータック消毒もとてもおすすめです。
イータックは量に対して少し高額だし・・・という方にはアルコール消毒がリーズナブルでいいです!!!
アルコール消毒には抗菌作用はないですが殺菌作用はありますので、お手軽なお値段で購入出来て便利です。ポンプタイプだと使用しやすいです。
おすすめはこちら!!
アルボナースエタノール消毒液です。
うちの病院でも使っていて、我が家でも愛用中です。
おすすめポイントとして、
①速乾性の手指消毒剤でとにかくすぐに乾く
②さらっとしていてべたつかない
③無臭
④保湿成分が配合されているため、通常のエタノール消毒液に比べて手荒れしない
⑤内容量のわりに価格が非常にリーズナブルで長期間使用できる。
こちらはかなり長持ちします。
どちらもお近くの薬局でも手に入ります。
終わりに
うちの病院では、私が入職してから6年間院内感染がでていません。
(病院なので感染者を出さないことは当然と言えば当然ですね)
感染予防には事前対策が一番です!!!
結膜炎が流行りだすこれからの季節、バッチリ対策をして乗り切りたいものです。
なかなかすべてやるのは難しいかもしれませんが、取り入れられそうなことがあれば是非ご家庭で試してみてください。
今日はちょっと硬い文章になってしまいましたが、また、眼科関連の記事も書いていきたいと思います。
過去記事はこちら↓
最後までお読みいただきありがとうございました。
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