- 眼底検査の流れと検査方法
- 眼底検査の種類
- 眼底検査を受ける際の注意点
こんにちは。
視能訓練士ママブロガーのぱんだこ(id:hareruyatan)です。
眼底検査って、受けたことありますか?
目の奥に異常がないかを調べるうえで重要な検査の1つです。


眼科勤務10年目、視能訓練士の私が、眼底検査の流れや検査方法、どんなことが分かるのかを解説します。

眼底検査とは
眼底検査とは、瞳孔から目の奥をのぞき、網膜や視神経、血管の状態などを調べる検査の事です。

眼底検査の方法は5種類あります。
- 検眼鏡
- 細隙灯顕微鏡
- 眼底写真
- 蛍光眼底造影
- OCT
それぞれ特徴が異なるため、目的や症状に合わせて組み合わせるのが一般的です。

眼底検査の注意点
まず最初に、眼底検査を行う上での注意点を説明しておきますね。
眼底検査を行うときは、散瞳薬という特殊な目薬を使用して瞳孔を広げる必要があります。
散瞳薬点眼後4~5時間は瞳孔が大きく広がっているため、目がかすむ、まぶしいなどの症状がでます。
そのため、この検査をするときは、車での来院はお控えいただいています。

それではいよいよ検査方法を説明です!!
検眼鏡
部屋を暗くした状態で、患者の数センチ前から眼底を覗き込みます。
黄斑部や視神経乳頭などの後極部を詳細に観察することができます。
周辺部まで眼底を観察でき、眼底全体の状態を把握することができます。
この検査を行う為には、散瞳薬を使用して先に瞳孔を広げる必要があります。

細隙灯顕微鏡
細隙灯顕微鏡は、眼球に細い光を当てることにより立体的に眼球を観察できる眼科の一般的な検査で、前眼部検査にも使用します。
眼底写真
眼底カメラを用いて眼底を撮影し、記録に残すことができます。
眼底カメラには、散瞳薬を点眼してから撮影する散瞳型眼底カメラと、散瞳薬は用いずに暗室で撮影する無散瞳カメラの2種類があります。
散瞳したほうが広範囲に眼底を撮影することができます。
無散瞳撮影と散瞳撮影の比較


真っ黒になっている部分が、黄斑部といって眼底検査をした際に見たい部分です。
無散瞳撮影の際は、黄斑部が真っ黒で映っていないのが分かります。
この部分をしっかり見るためには、散瞳薬にて瞳孔を広げる必要があります。
散瞳薬を使用した右の写真では、黄斑部がくっきりしてよく観察できます。

蛍光眼底造影
蛍光眼底造影検査では、肘静脈から蛍光色素を含んだ造影剤を投与し、眼底を撮影することで、眼底写真より詳細に眼底血管の状態を観察することができます。
正常な眼底では、蛍光色素により血管が鮮明に映し出されますが、血管の透明性が亢進している場合には蛍光色素が血管から染み出て映し出されます。
また、血管が詰まっている場合には造影剤が血管に到達しないため、血管があるはずなのに映し出されない無還流領域として検出することができます。
造影剤にはフルオレセインとインドシアニングリーンの2種類あり、観察部位によって使用薬剤が異なります。
- フルオレセイン :網膜血管
- インドシアニングリーン:脈絡膜血管
造影剤の副作用として、頻度はかなり低いですがショックおよびアナフィラキシー症状が報告されています。
また、フルオレセイン投与後は尿が1~2日程度黄色に着色したり、皮膚が2~3時間黄染することもありますが、自然に元に戻ります。

光干渉断層計(OCT)
光干渉断層計(OCT)では、眼底に近赤外線を当てることにより、眼底の断面図を測定することができます。
網膜の厚さを測ることができるため、網膜が厚くなる加齢黄斑変性や黄斑浮腫では、網膜厚による定量的評価が可能です。
黄斑部だけでなく、視神経といって神経の束が集まっている場所の断層写真や厚みも測定可能で、緑内障の診断材料にも使用されています。
正常網膜のOCT画像
視神経のOCT画像
検査時間は平均で5分ほどで、短時間で簡単に検査可能です。


まとめ
いかがでしたでしょうか?
目的や症状に合わせてこれらの検査を組み合わせて、正しい診断へ導きます。

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